夏型の多肉たちは葉を落とす準備をし始め、冬型の多肉たちが動きだす季節となりました。
さてそんな時ですが「植物³」の展示の振り返りは続きます。
今回は「植物³」で溶鉱炉の展示と共にメインを張っていたコミフォラという植物のお話。
Burseraceae Commiphora. カンラン科ミルラノキ属。
Commiphora myrrha コミフォラ ミルラ(左)
Commiphora kataf コミフォラ カタフ
'myrrha' (ミルラ)は、ヘブライ語で“苦い”を意味する、'mur, murr' に由来し、没薬(もつやく)と呼ばれています。強い殺菌効果を持つ精油は、防腐剤、香料、医薬品などに使われ、“ミイラ”の語源になったとも言われているなんだか神秘的な植物だったりもします。
またこんなホンマでっか!?な伝説もあります。
《イエス キリストが誕生した時、星に導かれてやって来た東方の三博士は、ひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、『黄金』,『乳香』、『没薬』を贈り物として献げた。》
ちなみに『乳香』の元となる植物も展示されていました。
『乳香』とはBurseraceae Boswellia属の樹液のことで、 樹液は空気に触れると乳白色~橙色の涙滴状の塊となり、その様子から乳香の名がつけられました。 この樹脂を香呂で焚いたアロマは伝統的に、中近東やインドの寺院などで、儀式や除虫、除菌に広く利用されています。実際香炉で焚かなくても樹液からはなんとも言えない爽快でスパイシーな香りがします。
何れにしろ、古来この植物たちはとても貴重、且つ生活する上で無くてはならないものだったということですね。
今でこそこれらの植物は生活の必需品というわけでは無くなりましたが、その樹皮、樹形の美しさ、原産地の乱獲や情勢不安による希少性などにより新たに注目を集めている植物群です。
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